働き方の未来 その4
報告書の結びにはこんなくだりがあります。
そのような新しい労働政策をいち早く構築し、将来の日本人には、個々人が
「好きで得意な道」で技術革新をフル活用し、世界で類を見ないユニークな存
在であり続けてほしい。魅力ある日本社会を創りあげるために、「働き方の未来
2035:一人ひとりが輝くために」を提言する。
ステレオタイプをひたすらに形成し続けたかつての社会スタイルから脱却しよう、という意見だと思います。今のままのあり方では疲弊してしまう、、、そんな実感を持っている人も多いと思います。
この報告書には様々な提言があります。全てが実現するあるいは実現に向けて動き出す訳ではないのでしょうが、少なくとも社会が、それぞれのユニークな取り組みを受容する度量を持っていてほしいと願っています。
働き方改革と労働者の収入
大和総研が興味深いレポートを出していました。
「働き方改革で、削減された残業時間が他の労働者や新規労働者へ分配されなかった場合、年間8.5兆円の所定外給与が下押しされる」
というものです。
所定外給与=企業にとっては支出なので、削減された所定外給与を所定内に振り分けるなどしない限り、そのまま企業の業績を押し上げることが想定されます。レポートには新たな労働者で補う場合240万人のフルタイム労働者が必要とありますが、働き方改革の結果新たな労働力が必要になるはずはないので(もっとも文中にあるようにそんなに労働力が供給はできない)、純粋に利益として計上できうる額と言えます。働き方改革を推し進めるためにはある程度の投資が必要ですが、その余力も同額だけあるということになります。
このビジネス収益モデルの変革をやりきったところだけが成長を見せる、そんな世の中になるのでしょうか。
#働き方改革 #収入 #給与
キャプテンの存在
記事のご紹介です。
当社の組織診断でも同様の結果が出ています。
優秀な社員ではなく、優秀なバイトリーダーが業績のカギを握っていました。
でもアルバイトから社員にした途端、、、
コミットメント経営
コミットメントというと、関わりとか責任とかとても難しい言葉が並びます。
ただどうも日本語での使われ方と海外での使われ方は異なっている気がしてなりません。ただのニュアンスなのかもしれませんが、、、
さほど経験がない自分が言うのも何ですが、ご存知の方がいらしたら是非お知恵をお貸しください。自分の感覚ではcommitmentの方がより重く重要な気がしています。
働き方の未来2035 その3
2035年。自分は、、、73歳。と考えると、自分には関係のない世界のように思えてしまう。でもその時期にはこの報告書にあるうち、いくつかは実現しているはず。
では今から20年前の1995年。自分は新潟県の長岡市にある工場の総務課にいた。
「働き方の未来2035」にはこんなくだりがある。
20 年後を展望する前に、20 年前を振り返る。1996 年は前年に発表された Windows95 ブームで湧いた日本だったが、世界は一気にインターネット時代への 大きな変革の幕開けとなった。 1995 年設立の Amazon は本のインターネット販売からスタートし、総合 EC (electronic commerce 電子商取引)サービスはもちろんのこと、今やクラウド サービスを提供する世界トップクラスの IT テクノロジーカンパニーになってい る。2000 年代には IT バブル、ネットバブルを超えて出現した Google や iPhone が全世界の人々のライフスタイルに画期的な変革をもたらし、異次元の破壊的 イノベーションにより既存企業のビジネスに大打撃を与えた。
当時、総務課には共用PCが2台程度。ネットワークにつないで使うなんて誰も想像しなかった。アナログのモデムが9600bps。あれから20年。そしてこれから20年。時代も仕事の内容も何もかもが大きく変わる。
1995年からさらに20年前の1975年。神奈川県の最低賃金は時給224円。昭和49年に比べて32%ものアップがあった年。
20年後はすぐそこに。そして2015年に7600万人だった生産年齢人口は2035年に6340万人になる予測。正社員至上主義はもう終わっているはずなのに。
働き方の未来2035 その2
さらにこんな一節も
「チャンスを生かすには、新しい労働政策の構築が不可欠
しかし、そのような恩恵を、働くすべての人、そして経済全体にもたらすに
は、技術革新や産業構造の変化に合わせて、あるいはそれを先取りする形で、
新しい労働政策を構築していく必要がある。働き方の構造が、技術革新によっ
て大きく変化していくし、いかざるを得ないと考えられるからだ。言い換える
と、新しい労働政策を構築できない限り、人々が十分に活躍することはかなり
困難になり、そうなれば日本経済は、チャンスを生かすことができず、大きな
困難に直面することになってしまう。
また、そもそも企業自体が大きく変容していくと予想される。変化のスピー
ドが速くなることで、企業自体がそれに対応して機動的に変化せざるを得なく
なるからだ。極端に言えば、企業は、様々なプロジェクトの塊になっていく。
そのような企業自体の変化に合わせた。新しい労働政策の構築が不可欠である。」
日本にも独立採算制とか事業部制を敷いていた企業はたくさんありました。しかし、採用や労働環境も独立していたかというとそうではありませんでした。職種が異なれば自ずと専門性も報酬も異なる、そうしないと良い仕事は出来ないばかりかイノベーションが起こることもない。この「転換ができる企業の先駆者」になりたいと思っています。
時間評価の終焉
以前書いたブログの中の「働き方の未来2035」という厚労省が2016年に開催した懇談会の報告書があります。
これを改めて読み返すと次のような一節がありました。
「物理的に同じ空間で同時刻に共同作業することが不可欠だった時代は、そこに実際にいる「時間」が働く評価指標の中心だった。だが、時間や空間にしば られない働き方への変化をスムーズに行うためには、働いた「時間」だけで報酬を決めるのではない、成果による評価が一段と重要になる。その結果、不必要な長時間労働はなくなり、かつ、是正に向けた施策が取られるようになる。」
現時点でどのような施策が採られるかは、企業によっても違うので定かではありませんが、はっきりしていることは、時給評価は採用されなくなるということ。
「高度プロフェッショナル制度」、別名「ホワイトカラー・エグゼンプション」なんて議論をしていた時代もあった。と揶揄されるようになることでしょう。
#評価 #時給 #残業ゼロ